視察レポート
震災からの復興に学び、「生きる力」を育む東北復興ツーリズム(2026年4月号掲載)
2026-04-06
文・写真=(公財)日本修学旅行協会 事務局長 藤川 誠二
月刊「教育旅行」2026年4月号掲載
※本記事中の情報は執筆当時のもので、その後変更されている場合があります。
最新情報は問い合せ先にご照会ください。
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昨年秋に、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)と一般社団法人東北観光推進機構が実施した、学校関係者向け「東北復興ツーリズム現地研修会」に参加した。宮城県・岩手県の震災伝承施設や防災・減災学習プログラムを中心に、視察させていただいた。
「東北復興ツーリズム」とは
東日本大震災から今年で15年を迎える東北には、震災伝承施設の整備が進み、他に類をみない豊富な防災・減災学習のプログラムが揃っている。また、「東北ならでは」の自然・歴史文化体験のプログラムや、農山漁村民泊体験ができる地域も整っている。それらを改めて磨き上げ、情報発信していくことで、東北エリアへ訪問する人々を増やし、これまで以上に復興の加速と地域の活性化を図っていくことを目的として、2023年7月25日に「東北復興ツーリズム推進ネットワーク」(事務局:JR東日本)が発足した。当協会も参加しているこの官民一体のネットワークには、行政機関・県市町村、関連企業・団体、交通事業者など多くの団体が参加し、連携・協働して東北地方の活性化を図っている。
東日本大震災に関する防災・減災学習プログラムは「生きる力」を育む内容であることから、特に教育旅行や研修旅行の誘致に力が注がれている。具体的には、教育旅行として震災伝承施設を訪問する中学生以上の学生団体(15名以上とその引率者)には、JRの運賃50%・料金45%という高い割引率が設定されていることが大きな特徴だ。現在、2027年3月31日(乗車日基準)までが設定期間となっていて、連合体輸送よりも柔軟性のある列車選定が可能なので、ぜひ今後の参考にしてほしい。
「東北復興ツーリズム」とは
東日本大震災から今年で15年を迎える東北には、震災伝承施設の整備が進み、他に類をみない豊富な防災・減災学習のプログラムが揃っている。また、「東北ならでは」の自然・歴史文化体験のプログラムや、農山漁村民泊体験ができる地域も整っている。それらを改めて磨き上げ、情報発信していくことで、東北エリアへ訪問する人々を増やし、これまで以上に復興の加速と地域の活性化を図っていくことを目的として、2023年7月25日に「東北復興ツーリズム推進ネットワーク」(事務局:JR東日本)が発足した。当協会も参加しているこの官民一体のネットワークには、行政機関・県市町村、関連企業・団体、交通事業者など多くの団体が参加し、連携・協働して東北地方の活性化を図っている。
東日本大震災に関する防災・減災学習プログラムは「生きる力」を育む内容であることから、特に教育旅行や研修旅行の誘致に力が注がれている。具体的には、教育旅行として震災伝承施設を訪問する中学生以上の学生団体(15名以上とその引率者)には、JRの運賃50%・料金45%という高い割引率が設定されていることが大きな特徴だ。現在、2027年3月31日(乗車日基準)までが設定期間となっていて、連合体輸送よりも柔軟性のある列車選定が可能なので、ぜひ今後の参考にしてほしい。
宮城県の教育旅行プログラム
●震災遺構 仙台市立荒浜小学校
東日本大震災において、児童や教職員、住民ら320人が避難した荒浜小学校は、津波による犠牲を再び出さないために、その校舎を震災遺構として公開し、津波の脅威や教訓を後世に伝えている。被災直後の様子を伝える写真や映像が視聴できるほか、荒浜地区にあった生活を後世に伝えるため、荒浜地区の歴史や文化、荒浜小学校の思い出などについても紹介している。2階まで津波に浸水した教室がほぼそのまま保存・展示されていて、当時の様子をイメージしやすい。校舎屋上からは荒浜地区全体が見渡せ、海との位置関係がわかり、被災前後の風景を比較することができる。事前予約が必要だが、職員による案内も可能だ。また、公式ホームページには、ワークシートや教職員向けの手引書が公開されているので、有効活用してほしい。
●JRフルーツパーク仙台あらはま
震災からちょうど10年の2021年3月にオープンしたJRフルーツパーク仙台あらはまは、一年を通じてイチゴなどの果物狩りを体験できる観光農園だ。その運営を通し、震災復興(東部被災地域の復興支援)・地域連携(東部沿岸地域の農業生産者や復興事業に参画している事業者との連携)・農業振興(「先端技術」と「収益性の高い農業」経営モデル)に貢献している。
今回の研修会は11月初旬でリンゴ狩りの体験だったが、果物の種類が豊富なので、時期を問わず様々な果物狩りを体験することができる。生徒たちにとっては、純粋に楽しい時間となり、お土産として家族にも喜んでもらえるだろう。そんな楽しい時間を過ごしながらも、被災地の利活用のことや、工夫された果物の栽培方法や品種について学ぶことができる。
●震災遺構 仙台市立荒浜小学校
東日本大震災において、児童や教職員、住民ら320人が避難した荒浜小学校は、津波による犠牲を再び出さないために、その校舎を震災遺構として公開し、津波の脅威や教訓を後世に伝えている。被災直後の様子を伝える写真や映像が視聴できるほか、荒浜地区にあった生活を後世に伝えるため、荒浜地区の歴史や文化、荒浜小学校の思い出などについても紹介している。2階まで津波に浸水した教室がほぼそのまま保存・展示されていて、当時の様子をイメージしやすい。校舎屋上からは荒浜地区全体が見渡せ、海との位置関係がわかり、被災前後の風景を比較することができる。事前予約が必要だが、職員による案内も可能だ。また、公式ホームページには、ワークシートや教職員向けの手引書が公開されているので、有効活用してほしい。
●JRフルーツパーク仙台あらはま
震災からちょうど10年の2021年3月にオープンしたJRフルーツパーク仙台あらはまは、一年を通じてイチゴなどの果物狩りを体験できる観光農園だ。その運営を通し、震災復興(東部被災地域の復興支援)・地域連携(東部沿岸地域の農業生産者や復興事業に参画している事業者との連携)・農業振興(「先端技術」と「収益性の高い農業」経営モデル)に貢献している。
今回の研修会は11月初旬でリンゴ狩りの体験だったが、果物の種類が豊富なので、時期を問わず様々な果物狩りを体験することができる。生徒たちにとっては、純粋に楽しい時間となり、お土産として家族にも喜んでもらえるだろう。そんな楽しい時間を過ごしながらも、被災地の利活用のことや、工夫された果物の栽培方法や品種について学ぶことができる。
●瑞巌寺
伊達政宗の菩提寺として有名な瑞巌寺(ずいがんじ)は、桃山美術を現在に伝える貴重な建築物として、昭和二八(1953)年に本堂が、昭和三四年に庫く裡り及び廊下が国宝に指定されている。平成三〇(2018)年には10年に及んだ「平成の大修理」が完了し、伊達政宗が心血を注いで完成させた創建当初の姿が甦った。御成門、中門、太鼓塀は国の重要文化財に指定されていて、青龍殿(宝物館)には、伊達家ゆかりの絵画や茶器のほか、本堂襖絵の原本などが展示されている。
松島観光ガイドを付け、瑞巌寺と同じく伊達政宗が再建した五大堂を起点とした見学をおすすめしたい。歴史についての案内はもちろんだが、震災当時の津波到達地点や、津波による浸水と地盤沈下の影響で枯れてしまった杉並木のことなどについても丁寧に教えてくれるので、震災・防災学習にもつなげられる見学となるはずだ。
●大船渡線・BRT乗車体験
東日本大震災で甚大な被害を受けたJR気仙沼線と大船渡線。いち早く復旧を望む声が多かった一方で、深刻な被害が広範囲に及んでいたため、復旧には多くの課題があった。そんな中、全線を鉄道で復旧するのではなく、線路敷を活用し、一般道も併用することで早期の運行開始が実現できる「バス高速輸送システム=BRT(Bus Rapid Transit)」による復旧が採択された。駅(停留所)を設置する際にも鉄道の駅とは違い、比較的早期に開設できることから、行政施設や病院、仮設商店街、地域の立ち寄り施設などの近くにも駅が設置しやすいという利点もある。震災からわずか1年後の2012年からの運行実現は、BRTだからこそ成し得たことなのだろう。
今回、気仙沼駅から奇跡の一本松駅までの区間を実際に乗車した。気仙沼駅では、鉄道とBRTが同じホームに乗り入れる様子を見ることができ、線路敷を活用したBRT専用道の走行を体験した。地域の交通インフラに責任を持ち、早期に安全で利便性の高い輸送サービスを提供することで、地域の復興に貢献しようとする中で創出された素晴らしいサービスであることを実感した。地域の生活インフラなので、現在のところ貸し切りや臨時便対応等はできないそうだ。そのため、修学旅行での利用には工夫が必要となるが、少人数の場合には、ぜひ実際に乗車してみてほしい。
岩手県の教育旅行プログラム
●陸前高田ワタミオーガニックランド
2021年4月にオープンしたワタミオーガニックランドは、自然の育む力や、オーガニック食品を楽しめる農業テーマパーク。20年かけて少しずつ整備し、農業や環境、エネルギーについて、楽しみながら学べるテーマパークを目指している。この施設がある陸前高田市今泉地区は、かつては住宅や工場などがあった場所だが、東日本大震災で甚大な被害を受けた。農園では、地域の資源循環をテーマにした土づくりが行われ、季節の野菜が栽培されている。
今回は、野菜を収穫し、手作りハンバーガーの具材として使ったが、文字通り楽しみながら農業のことを学ぶことができた。ハンバーグとバンズの焼き加減を調節し、収穫した野菜をバンズに挟むという体験内容だが、地元の食材をふんだんに使っていることや、バンズは肉との相性を考えた特注品であることなどの説明を聞きながらの体験は、生徒たちもきっと大満足することだろう。できあがった手作りハンバーガーは、とにかく美味しかった。
●陸前高田ワタミオーガニックランド
2021年4月にオープンしたワタミオーガニックランドは、自然の育む力や、オーガニック食品を楽しめる農業テーマパーク。20年かけて少しずつ整備し、農業や環境、エネルギーについて、楽しみながら学べるテーマパークを目指している。この施設がある陸前高田市今泉地区は、かつては住宅や工場などがあった場所だが、東日本大震災で甚大な被害を受けた。農園では、地域の資源循環をテーマにした土づくりが行われ、季節の野菜が栽培されている。
今回は、野菜を収穫し、手作りハンバーガーの具材として使ったが、文字通り楽しみながら農業のことを学ぶことができた。ハンバーグとバンズの焼き加減を調節し、収穫した野菜をバンズに挟むという体験内容だが、地元の食材をふんだんに使っていることや、バンズは肉との相性を考えた特注品であることなどの説明を聞きながらの体験は、生徒たちもきっと大満足することだろう。できあがった手作りハンバーガーは、とにかく美味しかった。
●高田松原津波復興祈念公園
高田松原津波復興祈念公園は、東日本大震災による犠牲者への追悼と鎮魂、震災の記憶と教訓の後世への伝承とともに、国内外に向けて復興に対する強い意志を発信するため、国、岩手県、陸前高田市が連携して整備した復興の象徴となる公園。約130haの広大な敷地には、来訪者が花を手向けることができる「献花の場」、広田湾や再生中の名勝高田松原、陸前高田の市街地や郷土の山々が望める「海を望む場」がある。また、唯一生き残った復興のシンボルで、モニュメントとして再整備された「奇跡の一本松」、震災の脅威を伝えるかつての道の駅「タピック45」があり、2019年には「東日本大震災津波伝承館」と新しい道の駅「高田松原」が開設された。
●東日本大震災津波伝承館(いわてTSUNAMIメモリアル)
各地にある震災伝承施設が、その地域における被災時の状況を中心に伝えているのに対し、東日本大震災の全容を詳しく理解できる内容になっているのが、東日本大震災津波伝承館だ。まずガイダンスシアターで約12分の映像を視聴し、その後、「歴史をひもとく」「事実を知る」「教訓を学ぶ」「復興を共に進める」という4つのテーマに分けられたゾーンを見学していく。震災の状況を知り、防災の大切さを学び、復興に向けた動きや課題を順に学んでいくことができるようになっている。「教訓を学ぶ」ゾーンにおいては、逃げる、助ける、支えるなど、東日本大震災時の人々の行動が詳しく展示されている。解説員(要予約)の丁寧でわかりやすい説明を聞きながら、それらを理解することは、災害への備えや、被災した際の災害との向き合い方について、深く考える機会となることだろう。
震災・防災学習を検討する場合には、事前学習で活用できる時間数や、その強度や濃度をどうするのかという悩みや葛藤が生じることと思うが、最初に訪問する、あるいはどこか1カ所だけ訪問するとしたら、この施設を推薦したい。豊富な資料をもとに、震災の事実と防災の重要性、そして復興に関することがバランスよく展示されている。
訪問の際には、隣接した道の駅「高田松原」でのお土産の購入や、公園内の見学・散策なども合わせて、時間はたっぷりとっておくことを推奨したい。滞在時間をどの程度とるのが適切なのか知りたい場合には、公式ホームページの「団体予約受付」「学校でのご利用について」というページを参考にするとよい。滞在可能時間やクラス数などに応じたモデルコースが詳しく紹介されている。
高田松原津波復興祈念公園は、東日本大震災による犠牲者への追悼と鎮魂、震災の記憶と教訓の後世への伝承とともに、国内外に向けて復興に対する強い意志を発信するため、国、岩手県、陸前高田市が連携して整備した復興の象徴となる公園。約130haの広大な敷地には、来訪者が花を手向けることができる「献花の場」、広田湾や再生中の名勝高田松原、陸前高田の市街地や郷土の山々が望める「海を望む場」がある。また、唯一生き残った復興のシンボルで、モニュメントとして再整備された「奇跡の一本松」、震災の脅威を伝えるかつての道の駅「タピック45」があり、2019年には「東日本大震災津波伝承館」と新しい道の駅「高田松原」が開設された。
●東日本大震災津波伝承館(いわてTSUNAMIメモリアル)
各地にある震災伝承施設が、その地域における被災時の状況を中心に伝えているのに対し、東日本大震災の全容を詳しく理解できる内容になっているのが、東日本大震災津波伝承館だ。まずガイダンスシアターで約12分の映像を視聴し、その後、「歴史をひもとく」「事実を知る」「教訓を学ぶ」「復興を共に進める」という4つのテーマに分けられたゾーンを見学していく。震災の状況を知り、防災の大切さを学び、復興に向けた動きや課題を順に学んでいくことができるようになっている。「教訓を学ぶ」ゾーンにおいては、逃げる、助ける、支えるなど、東日本大震災時の人々の行動が詳しく展示されている。解説員(要予約)の丁寧でわかりやすい説明を聞きながら、それらを理解することは、災害への備えや、被災した際の災害との向き合い方について、深く考える機会となることだろう。
震災・防災学習を検討する場合には、事前学習で活用できる時間数や、その強度や濃度をどうするのかという悩みや葛藤が生じることと思うが、最初に訪問する、あるいはどこか1カ所だけ訪問するとしたら、この施設を推薦したい。豊富な資料をもとに、震災の事実と防災の重要性、そして復興に関することがバランスよく展示されている。
訪問の際には、隣接した道の駅「高田松原」でのお土産の購入や、公園内の見学・散策なども合わせて、時間はたっぷりとっておくことを推奨したい。滞在時間をどの程度とるのが適切なのか知りたい場合には、公式ホームページの「団体予約受付」「学校でのご利用について」というページを参考にするとよい。滞在可能時間やクラス数などに応じたモデルコースが詳しく紹介されている。
●猊鼻渓
日本百景のひとつに数えられ、国の史蹟名勝天然記念物にも指定されている猊鼻渓(げいびけい)は、砂鉄川に沿って高さ100メートルを超す断崖絶壁が2キロメートルも続く渓谷だ。竿一本だけを使って川を往復する舟下りは、日本ではここだけとのこと。船頭さんが歌う「げいび追分」が清流の音と美しいハーモニーを奏で、心地よい響きで魅了してくれる。透明度の高い川には魚が優雅に泳ぐのが見え、舟からの餌やりも可能だ。美しい景色や空気を満喫できる。
●中尊寺と毛越寺
中尊寺は嘉祥三(850)年、比叡山延暦寺の高僧慈覚大師円仁(じかくだいしえんにん)によって開かれ、黄金に輝く金色堂があることで有名だ。間近で見る金色堂は、豪華絢爛という言葉の通り煌びやかで、金の産地として栄えた平泉、そして奥州藤原文化を象徴するものなのだと実感する。境内には、金色堂以外にも、中尊寺の表参道・月見坂の途中の源義経と弁慶の木像が安置されている弁慶堂や、松尾芭蕉の像と芭蕉が詠んだ「五月雨の降り残してや光堂」の句碑などがある。自由見学では見落としがち
になってしまうので、中尊寺観光ガイドの案内のもと見学することをおすすめしたい。義経や弁慶、松尾芭蕉といった歴史上の人物を身近に感じたり、在りし日の平泉の栄華に想いを馳せたりしてほしい。
また、近くには、中尊寺と同様、世界文化遺産に登録され、国から特別史跡と特別名勝の2つの指定を受けている毛越寺(もうつうじ)がある。仏の世界を地上に表現したと伝わる浄土庭園が美しいことで有名だ。
日本百景のひとつに数えられ、国の史蹟名勝天然記念物にも指定されている猊鼻渓(げいびけい)は、砂鉄川に沿って高さ100メートルを超す断崖絶壁が2キロメートルも続く渓谷だ。竿一本だけを使って川を往復する舟下りは、日本ではここだけとのこと。船頭さんが歌う「げいび追分」が清流の音と美しいハーモニーを奏で、心地よい響きで魅了してくれる。透明度の高い川には魚が優雅に泳ぐのが見え、舟からの餌やりも可能だ。美しい景色や空気を満喫できる。
●中尊寺と毛越寺
中尊寺は嘉祥三(850)年、比叡山延暦寺の高僧慈覚大師円仁(じかくだいしえんにん)によって開かれ、黄金に輝く金色堂があることで有名だ。間近で見る金色堂は、豪華絢爛という言葉の通り煌びやかで、金の産地として栄えた平泉、そして奥州藤原文化を象徴するものなのだと実感する。境内には、金色堂以外にも、中尊寺の表参道・月見坂の途中の源義経と弁慶の木像が安置されている弁慶堂や、松尾芭蕉の像と芭蕉が詠んだ「五月雨の降り残してや光堂」の句碑などがある。自由見学では見落としがち
になってしまうので、中尊寺観光ガイドの案内のもと見学することをおすすめしたい。義経や弁慶、松尾芭蕉といった歴史上の人物を身近に感じたり、在りし日の平泉の栄華に想いを馳せたりしてほしい。
また、近くには、中尊寺と同様、世界文化遺産に登録され、国から特別史跡と特別名勝の2つの指定を受けている毛越寺(もうつうじ)がある。仏の世界を地上に表現したと伝わる浄土庭園が美しいことで有名だ。
食事場所・宿泊施設情報
●平泉レストハウス(岩手県平泉町)
平泉レストハウスは、中尊寺の門前で食事の提供とお土産の販売を行っている施設。教育旅行の受入れが多く、中尊寺とごく近い場所にあること、食事とお土産購入の時間をセットで確保できること、アレルギー対応もしっかりしていること、座席数が充分あることなど、教育旅行に適した施設だ。
●南三陸ホテル観洋(宮城県南三陸町)
幅160メートルもある開放的なロビーから太平洋を一望できる、三陸海岸最大級のホテル。大規模校でもまったく問題なく利用でき、教育旅行の受入れ実績も充分あるの
で、安心かつ快適に過ごせる。大浴場も一度に100名までの利用が可能だ。東日本大震災の際に、避難場所として多くの近隣住民を助けた経験や、震災そのものの記憶を風化させないために、「語り部バスに乗っての被災地学習」や「震災講話学習」、「震災・防災学習に関するワークショップ」などを行っている。また被災した「高野会館」を自前で震災遺構として残し、管理している。
●キャピタルホテル1000(岩手県陸前高田市)
震災前は、陸前高田市唯一の観光ホテルとしてシンボル的な存在だった。再建された今は、清潔感が溢れ、従業員のホスピタリティが高いホテルとして地域の復興に貢献している。全客室ツインルーム、総客室数は40室なので、小中規模校に適している。人数次第では全館貸切も可能で、高田松原津波復興祈念公園や陸前高田ワタミオーガニックランドからほど近い場所にある利便性が高いホテルだ。
近年、東北方面への修学旅行が増え、震災・防災学習に力を入れている学校が増えていることも感じていた中、今回の研修会は非常に有意義な機会となった。また、宿泊ホテルにおいて、1日目に「宮城県教育旅行セミナー」、2日目に「岩手県教育旅行セミナー」が開催されたが、訪問した施設以外でも、ここ数年で震災・防災学習に資する内容のコンテンツやプログラムが多く開発されていることを知ることができた。そして、歴史や自然、農山漁村体験など、東北ならではの魅力も改めて感じた。
実際に行程を決める際には、その魅力のどこに焦点を絞るのか、あるいはどの地域を中心に考えるのかがとても重要だ。また、震災・防災学習に関しても、施設ごとに伝えたいことや考えてほしいことの内容が異なっているので、生徒たちに学ばせたいことと照らし合わせながら、訪問する地域・施設を選んでほしい。
修学旅行としてはもちろんのこと、テーマ別の研修旅行や探究学習の場として、東北教育旅行を検討してみてはいかがだろうか。
【問い合せ先】
東北復興ツーリズム推進ネットワーク
(一社)東北観光推進機構
TEL:022―721―1291














