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掲載記事・視察レポート

視察レポート

体験型食育ミュージアム「カップヌードルミュージアム 横浜」(2026年8月号掲載)

2026-08-06
カップヌードルミュージアム 横浜 外観
文・写真=(公財)日本修学旅行協会 理事長 竹内 秀一、編集部 中出 三千代

月刊「教育旅行」2026年8月号掲載
※本記事中の情報は執筆当時のもので、その後変更されている場合があります。
最新情報は問い合せ先にご照会ください。

校外学習や修学旅行で多くの学校が訪れている横浜。その新しい顔「みなとみらい21」エリアには、帆船日本丸や横浜みなと博物館、海上保安資料館、横浜美術館など、魅力的な「学び」の場が揃っている。なかでもカップヌードルミュージアム 横浜は、工夫された展示や体験を通して楽しみながら学ぶことができる人気の高いスポットだ。

ミュージアムを運営している(公財)安藤スポーツ・食文化振興財団の協力を得て、展示などの視察と「ファクトリー」でのアトラクションを体験させていただいた。
インスタントラーメンの発明・発見
ミュージアムの2階が展示フロアになっている。現在、世界中で年間約1200億食が食べられているというインスタントラーメン。フロアでは、まず、壁全体を埋めつくすパッケージの数量に圧倒された。1958年に発明された「チキンラーメン」が、世界的な「食」へと発展していく様子が一目でわかる。

その「チキンラーメン」を発明した安藤百福(ももふく)の波乱に満ちた生涯や足跡を紹介する「百福シアター」、「安藤百福ヒストリー」では、インスタントラーメンの品質を向上し、産業として育てるために製法特許を公開したこと、アメリカ人がチキンラーメンを割ってマグカップに入れ、お湯を注いで食べるのを見てカップヌードルを発明したこと、乾燥めんを逆さにしてそれにカップをかぶせる斬新な製法(「逆転の発想」)を開発したことなど、百福の「クリエイティブシンキング=創造的思考」から生み出されるアイデアが、次々に具体化されていくことに感心させられた。

また、「クリエイティブシンキングボックス」では、「まだ無いものを見つける」、「なんでもヒントにする」、「タテ・ヨコ・ナナメから見る」といった「創造的思考」の原点となる6つのキーワードを、各ボックスの工夫された展示で体感でき、百福の足跡とリンクさせて理解することができる。

見るだけでなく、実際に触って、遊んで楽しみながら、創造する・探究するにはどんな姿勢が必要なのかを、考え・学ぶことができる優れた展示だ。

壁を埋めつくすパッケージ
世界的な「食」となったインスタントラーメン
2つのファクトリーの体験アトラクション
ミュージアムの3階には、体験ができる「マイカップヌードルファクトリー」と「チキンラーメンファクトリー」という2つの「ファクトリー」がある。

▼オリジナルのカップヌードルづくり―マイカップヌードルファクトリー

入館者の多くがこの体験を目的にしているというのが、マイカップヌードルファクトリーでのオリジナル「カップヌードル」づくりだ。

自分でデザインしたカップに、4種類の中から好みのスープ1種類と、12種類の中から4つのトッピングを選ぶことができる。味の組み合わせは合計5、460通り(!)というので、友達とそれぞれ好みの味の組み合わせを比べてみるのも楽しいだろう。

専用カップを手に入れたら、用意してあるペンでカップをデザインする。ロゴのアウトラインは印刷してあるが、色を塗ったり、空いたスペースにイラストを描いてみたり、世界で一つの自分らしいカップヌードルを作ってみよう。

カップのデザインが終わったら、スタッフのいるカウンターに行き、まずは「逆転の発想」でカップに麺をセット。その中に選んだスープとトッピングをスタッフに入れてもらい、カップに蓋をし、シュリンク包装をしてもらったらマイカップヌードルの完成。

持ち帰り用のエアパッケージは透明で、ストラップが長いので斜め掛けもできる。バッグやアクセサリー感覚でマイカップヌードルのデザインを楽しめるのも人気のポイント。横浜の街角では、このパッケージを持っている人がとても目立っている。
マイカップヌードルファクトリー
カップに選んだトッピングを入れてもらう
▼インスタントラーメンの手づくり体験―チキンラーメンファクトリー

チキンラーメンファクトリーでは、チキンラーメンの製造工程を手づくりで追体験することができる。

最初にスタッフから作業工程について説明を受けたあと、水やかんすいなどを投入した小麦粉を手でこねるところから作業開始となる。次に、こねた小麦粉を麺棒でのばしていく。思った以上に力がいる作業だ。それを折りたたみ、製麺機に入れてさらにのばす。この作業を数回繰り返したあと、刃を付けた製麺機を通して麺にし、食べやすい長さに切る。製麺機は手回し式なので慎重に作業しなければならない。

できた麺を蒸してもらう間、パッケージにオリジナルのデザインを施す。蒸しあがった麺に味付けして一人前ずつ容器に入れ、スタッフに預けて「瞬間油熱乾燥法」という方法で乾燥してもらう。そして、乾燥した麺をパッケージに密封してもらって完成とな
る。ここまででおよそ70分の体験だ。

工場ではすべて機械で行う工程だが、手づくりとなるとなかなかたいへんな作業だということがよくわかる。味は、帰宅してからということになるが、お土産でもらえる市販の「チキンラーメン」と味比べをしてみるのも楽しい。


マイカップヌードルファクトリーでの体験料は1食500円、チキンラーメンファクトリーでの体験料は中学生以上が1200円、小学生600円となっているが、小・中・高の学校教育で利用する場合は、入館料を含めて無料。これは、百福の「子どもたちからお金をとってはいけない」という思いにもとづいているという。どちらも人気のプログラムなので、学校団体の予約は体験希望日の1年前から受け付けているとのこと。

チキンラーメンファクトリー
小麦粉を手でこねる
NOODLES BAZAAR―ワールド麺ロード
ワールド麺ロード
百福は80年代から90年代にかけて、麵ロード調査プロジェクトで、東アジアから東南アジア・中央アジア、そしてヨーロッパと、各地の麺料理を調査し、麺のルーツを探る旅をした。彼がその旅の「麺ロード」で出会った8カ国の麺を味わえるフードアトラクションエリアが、「ワールド麺ロード」だ。

イタリア、カザフスタン、中国、韓国、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシアの代表的な麵料理を、現地さながらの本格的な味で味わうことができる(料理監修:国立民族学博物館名誉教授・石毛直道氏)。麺料理はハーフサイズでの提供なので、ぜひ数種類を食べ比べてみたい(1食500円)。また、各国のスイーツやドリンクなども楽しめる。実際に食べることで、世界の麺料理の広がりや豊かさが感じられるだろう。

内装は、アジアのナイトマーケットをイメージし、アジア各国から取り寄せた家具や道具、小物などで装飾されている。座っているだけでもアジアを旅しているような、ワクワクする空間だ。
アスレチックで製造工程を体感―カップヌードルパーク
カップヌードルパーク
カップヌードルパークは、カップヌードルの製造工程を体感することができる屋内アスレチック。自分自身がカップヌードルの "麺" になり、製麺から出荷されるまでの一連の工程を、全身で体感していく。麺に味付けする工程をイメージしたボールプールに飛び込んだり、油で揚げられる麺になったようなヴァーチャル体験をしてみたり、「逆転の発想」を体感してみたりと、カップヌードルの製造工程がわかりやすく、面白く再現されている。利用対象は3歳以上小学生以下(身長90cm以上)。


カップヌードルミュージアム 横浜では、インスタントラーメンやカップヌードルをテーマとしながらも、展示やファクトリーでのプログラムだけでなく、ワールド麺ロードでの「食」を含め、様々な体験を通して新たな発想・発見を生み出す「クリエイティブシンキング=創造的思考」の大切さを楽しく学ぶことができる。横浜で教育旅行を計画・実施する際には、行程に組み入れることをおすすめしたい施設だ。

【施設概要・問い合せ先】
カップヌードルミュージアム 横浜
神奈川県横浜市中区新港2―3―4
開館時間 :10時~18時(入館は17時まで)
休館日: 火曜日(祝日の場合は翌日が休館日)
入館料: 大人500円、高校生以下無料
TEL:045―345―0918
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