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愛知県の調査

修学旅行研究会

 当協会では、毎年11月に中学校修学旅行研究会を実施し、修学旅行の事例研究を行っています。研究会では、県内の「尾張」、「三河」、「名古屋」3地区から毎年1校が事例発表を行い、意見交換をしています。
参加者は、3地区の修学旅行委員の校長、愛知県教育委員会、名古屋市教育委員会等で、当協会本部からも参加をしています。


2024年度 愛知県修学旅行研究会開催報告

<2024年度修学旅行研究会開催報告>
日 時:2024年11月19日(火)
場 所:名古屋都市センター会議室
発表校:尾張旭市立東中学校          
テーマ:凡事を徹底し主体的に行動できる修学旅行 ~日々の学校生活を公共の場で生かす取り組み~

【修学旅行のねらい】
(1) 首都である東京を巡り、学校の中では経験できない施設の見学や体験を通して、見識を広める。
(2) 公共の施設や交通機関を利用することにより、生活経験の拡大を図る。
(3) 集団行動を経験し、協力することの大切さや公共のルールを学ぶ。

【重点を置いた活動】
日常の凡事を行事でも生かす(修学旅行の凡事・五榜の掲示)
主体性と協働性を生かした活動(分散学習・演芸会)

【事前学習】
 (1) 1年時 校外学習でレベルアップしよう(2学期)
 企業や公共施設を訪問し、キャリアについて考える視点を持つことや判断力を身に付けること、班で協力し、計画を立てる力を身に付けること、公共の場や訪問先でのマナーや規則を守ることの3つを目的として、名古屋市内において分散学習を行った。また、修学旅行で、東京の分散学習を実施するため、各グループで行き先を考え、公共交通機関を使って見学地へ向かうこととした。
 
 (2) 2年時 修学旅行実行委員会の設置
 2年生の3学期に修学旅行実行委員会を募集し、スローガンやルール作り等を行う全体実行委員と、1日目に行う演芸会の実行委員に分け活動を行った。

【修学旅行の日程】
1日目 名古屋駅⇒東京駅⇒国会議事堂⇒都内班別分散学習⇒ホテル(演芸会)
2日目 ホテル⇒東京ディズニーランド⇒ホテル
3日目 ホテル⇒クラス別見学(ズーラシア、スカイツリー、チームラボ豊洲等)⇒校区内降車箇所⇒学校 

【当日の活動】
 (1) 1日目 国会議事堂見学~分散学習~演芸会
・国会議事堂見学
バスの不足や値段の高騰から、極力東京都内のバスの移動を辞め、公共交通機関による移動となった。
新幹線下車後、丸の内学生団体待合所に整列し、メトロ丸の内線で国会議事堂へ向かった。混乱なく全員が同じ電車で移動することができた。国会議事堂では、地元議員から簡単な説明を受けた後、国会議事堂内を一巡した。
・班別分散学習
分散学習は、見学地を決める目安として、「何が学べるか、体験できるか、味わえるか、感じられるか」を事前に調べて、2施設か1つのエリアとするように指導をした。見学先は、上野動物園、国立科学博物館、NHK、テレビ朝日、品川水族館、スカイツリー等の施設を選んでいた。
生徒たちは、スムーズに見学ができるよう時間やルート等考えた。また、当日は、旅行会社から貸与された携帯の地図アプリを使い、おおむね計画通り見学できた。
・演芸会
尾張旭市の中学校では、キャンプファイヤーの出し物のように、ゲームや有志発表等お楽しみ会的な要素の演芸会を修学旅行でも行っている。演芸会実行委員は、「一度きりの思い出をつくる」「一致団結」「友達の知らない一面を知りより仲を深める」の3つを演芸会の目標として設定した。前半は部活動や仲の良い友達で構成したグループの有志発表で、劇やダンス等8組が発表し、後半は、人狼ゲームとディズニーに関するクイズを行い大変盛り上がった。
 (2) 2日目 ディズニーランド班別活動
 ディズニーランドへもJRで移動するため、素早く乗車することや、もし車両が満員でも躊躇なく乗ることと、舞浜駅に着いたら必ず降りることを徹底した。クラスの先頭と最後尾を教師及び添乗員が挟み込み、速やかに乗車及び下車することができた。その後手荷物チェック等を受け、ディズニーランドに入場し、10時から最長19時過ぎまで園内で活動をした。
 (3) 3日目 クラス別見学~帰路
 3日目はクラスごとにバスで移動し様々な体験活動を行った。体験先は横浜ズーラシアと中華街散策、スカイツリーと浅草散策、上野動物園とアメ横散策、チームラボ豊洲とお台場散策、RED体験と東京タワー散策の5エリアである。
 最終日は土曜日ということもあり、浅草では三社祭の混雑や、横浜方面の交通渋滞等が懸念された。想定よりも都内の交通量が少なかったこともあり、バスでの移動については予定通りに運行できた。
 クラス別活動も終わり、予定通り14時には東京駅に到着。丸の内学生団体待合所に全クラス整列し、15時発の新幹線で帰路についた。

【事後学習】
修学旅行の振り返りと、クラスで見つけた友達の良いところや感謝したいことをまとめるとともに、班別活動やクラス別活動で体験したことや学んだことを、タブレットのプレゼンテーションソフトで、クラスごとに一人ひとり発表を行った。

【終わりに】
今回、凡事を徹底し主体的に行動できる修学旅行を目標として、日々の学校生活で大切にしている行動を、公共の場でも生かすことができるよう指導をしてきた。生徒たちの感想からは、自分たちの力で、修学旅行を成功させることができたという達成感があり、当初の目標は達成できたと感じている。五榜の掲示のそれぞれの達成具合もアンケートで問うと、95%以上が肯定的な回答となっており、自分たちが考えた行動規範をしっかりと守り活動できたことが確認できた。
これからも、行事の成功だけでなく、生徒が主体的に自分たちの良さを自然と発揮されるよう指導を続けていきたい。

2025年度は、蒲郡市立形原中学校の事例発表を予定している。


※本報告の修学旅行については、月刊「教育旅行」2025年4月号 教育旅行研究に掲載。
※本報告の修学旅行については、月刊「教育旅行」2024年2月号 教育旅行研究に掲載。
※本報告の修学旅行については、月刊「教育旅行」2023年3月号 教育旅行研究に掲載。
※本報告の修学旅行については、月刊「教育旅行」2022年4月号 教育旅行研究に掲載。
※本報告の修学旅行については、月刊「教育旅行」2021年4月号 教育旅行研究に掲載。
※本報告の修学旅行については、月刊「教育旅行」2020年4月号 教育旅行研究に掲載。
※本報告の修学旅行については、月刊「教育旅行」2019年3月号 教育旅行研究に掲載。
※本報告の修学旅行については、月刊「教育旅行」2018年3月号 教育旅行研究に掲載。
※本報告の修学旅行については、月刊「教育旅行」2017年3月号 教育旅行研究に掲載。
※本報告の修学旅行については、月刊「教育旅行」2016年3月号 教育旅行研究に掲載。
※本報告の修学旅行については、月刊「教育旅行」2015年3月号 教育旅行研究に掲載。
※本報告の修学旅行については、月刊「教育旅行」2014年3月号 教育旅行研究に掲載。
※本報告の修学旅行については、月刊「教育旅行」2013年1月号 教育旅行研究に掲載。

愛知県修学旅行実施状況

修学旅行実施状況2019(平成31/令和元)年度実施分】を作成しました。
修学旅行実施状況2018(平成30)年度実施分】を作成しました。
修学旅行実施状況2017(平成29)年度実施分】を作成しました。
修学旅行実施状況2016(平成28)年度実施分】を作成しました。
修学旅行実施状況2015(平成27)年度実施分】を作成しました。
修学旅行実施状況2014(平成26)年度実施分】を作成しました。
修学旅行実施状況2013(平成25)年度実施分】を作成しました。
修学旅行実施状況【2012(平成24)年度実施分】を作成しました。
名古屋事務所(2021年1月閉所)では、愛知県教育委員会、名古屋市教育委員会、愛知県私学協会ならびに各校長会のご理解・ご協力のもと、県下の国・公・私立、小・中・高等学校の調査およびデータ集計・分析を行い、関係機関に資料としてご提供しております。
調査結果から各関係機関におきまして、より有意義な修学旅行の実現を目指すことを目的としています。
 
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