視察レポート
グローバルリンク・シンガポール2023(2024年1月号掲載)
2024-02-02
文・写真=(公財)日本修学旅行協会 理事長 竹内 秀一
月刊「教育旅行」2024年1月号掲載
※本記事中の情報は執筆当時のもので、その後変更されている場合があります。
最新情報は問い合せ先にご照会ください。
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アジアの中高生たちが競い合ったグローバルリンク・シンガポール
グローバルリンク・シンガポール(以下GLS)は、アジアの諸国・諸地域の中高校生たちが一堂に集い、日ごろ取り組んでいる自然科学・社会科学に関する研究や課題解決に向けた提言などを英語で発表し、その内容を競い合う国際コンテストだ。コロナ禍を経て、今回は4年ぶりにシンガポールのナンヤン工科大学(NTU)を会場としての開催となった。
コンテストは、基礎科学・応用科学と社会科学の3つの分野からなり、発表形式は、1日目の1stラウンドがブースプレゼンテーション。2日目は、それぞれの分野の上位3チームが進出するFinalラウンド、ホールでのステージプレゼンテーションとなっている。
今回、日本からは、東北から九州までの公立・私立の高校・中等教育学校11校、63名の生徒が参加し、海外からはシンガポールをはじめベトナム、タイ、台湾の高校生78名が参加した。コロナ禍前に比べ参加国・地域や参加生徒の数は減ったものの、久々のシンガポール開催にしては、事前に予想した以上の参加生徒が集まり、来年以降にも期待がもてるイベントとなった。
コンテストは、基礎科学・応用科学と社会科学の3つの分野からなり、発表形式は、1日目の1stラウンドがブースプレゼンテーション。2日目は、それぞれの分野の上位3チームが進出するFinalラウンド、ホールでのステージプレゼンテーションとなっている。
今回、日本からは、東北から九州までの公立・私立の高校・中等教育学校11校、63名の生徒が参加し、海外からはシンガポールをはじめベトナム、タイ、台湾の高校生78名が参加した。コロナ禍前に比べ参加国・地域や参加生徒の数は減ったものの、久々のシンガポール開催にしては、事前に予想した以上の参加生徒が集まり、来年以降にも期待がもてるイベントとなった。
GLS2023/コンテストの概要
日本から参加した生徒のスケジュールは表のようになっている。コンテストのほか、NTUの先生方による講演、キャンパスツアーや研究室体験などのスタディツアー、アクティビティでの大学生やアジアの生徒たちとの交流といった多彩なプログラムに加え、最終日には市内でのフリータイムも用意されているのがGLSならではの特徴だ。
コンテストの概要を紹介しよう。会場は、キャンパス内にある小教室やホールなど。1日目は、チームごとに11の小教室に分かれ、スライドを用いて研究成果を発表し質問に答えるブースプレゼンテーション(発表8分、質疑応答10分)。これを2回行い、うち1回は2名の審査員が審査する。この1stラウンドでの各分野上位3チームが、翌日のFinalラウンドに進出する。2日目のFinalラウンドは、ホールに会場を移し、参加者全員に向けて発表するステージプレゼンテーション(発表8分、質疑応答12分)となる。それぞれの分野で発表されたテーマのうちのいくつかをあげておこう。
審査には現地で活躍されている大学や研究機関等の先生方があたるが、審査員だけでなく参加者からの質問にも厳しいものがあったり、質問内容は理解していても、言いたいことを英語で表現することが難しかったりと、苦戦している日本の生徒も見られた。しかし、前回に比べ、日本の生徒たちの英語でのプレゼン能力は確実にレベルアップしていて、英語を日常的に用いている他のアジアの生徒たちとも十分に競えるようになっていることがよくわかった。別表の審査結果で、日本の生徒たちによる発表が高い評価を得ていることが、その証左となるだろう。
1stラウンドの終了後に、発表の概要をまとめた各チームのポスターを掲示したパネルを前にして、参加者がディスカッションする時間が設けられていた。審査の対象になっていないこともあり、いろいろな国・地域の生徒たちが入り混じって活発に意見を交わす様子があちこちで見られた。ここから生徒同士の本格的な交流がスタートしたといえるだろう。
1stラウンドの終了後に、発表の概要をまとめた各チームのポスターを掲示したパネルを前にして、参加者がディスカッションする時間が設けられていた。審査の対象になっていないこともあり、いろいろな国・地域の生徒たちが入り混じって活発に意見を交わす様子があちこちで見られた。ここから生徒同士の本格的な交流がスタートしたといえるだろう。
コンテスト以外の魅力的なプログラム
Finalラウンドのあとは、大学生をリーダーとしたアクティビティのプログラム。アクティビティは、各国・地域の生徒が混在するグループをつくって行う。生徒たちが打ち解けるのは予想以上に早く、どのグループでも楽しそうに活動する様子が見られた。帰国後も、メールなどで互いに連絡を取り合う生徒が多いと聞く。コンテストだけでなく、このように生徒同士が交流する機会が多くあることもGLSの大きな魅力だ。
3日目のスタディツアーには、NTUの佐藤裕崇教授によるサイボーグ昆虫に関する特別講義と研究室ツアー、Temasek Polytechnic でのテン・テンダー氏との対談と研究センター訪問の2つのコースが用意されていた。どちらも興味深い内容で、「高校を卒業したらこんな大学で研究してみたい」という感想に代表されるように、生徒たちには大きな刺激となったにちがいない。このツアーのあとにフリータイムがあるのも楽しみのひとつだ。
3日目のスタディツアーには、NTUの佐藤裕崇教授によるサイボーグ昆虫に関する特別講義と研究室ツアー、Temasek Polytechnic でのテン・テンダー氏との対談と研究センター訪問の2つのコースが用意されていた。どちらも興味深い内容で、「高校を卒業したらこんな大学で研究してみたい」という感想に代表されるように、生徒たちには大きな刺激となったにちがいない。このツアーのあとにフリータイムがあるのも楽しみのひとつだ。
GLSを次のステップに
「自分たちがこれまで研究してきたことや考えてきたこと、それをどれだけ海外の人たちに伝えられるか試してみたくて参加したけれど、それができてよかった。」「海外の人たちと関わってたくさんの刺激をもらったので、興味の幅や視野が広がりいろいろな考え方ができるようになった。」「海外の友達がたくさんできて人脈が世界中に広がっていくのがとても楽しい。ここでできた世界との繋がりを大事にしていきたい。」参加した生徒たちからはこのような感想が聞かれた。
自分たちが研究してきたことが、海外の先生や生徒たちからどのように評価されるか。自分の話す英語で、言いたいことが伝わるのか。英語での質問が理解できるのか、英語で答えられるのか…。こうした不安を抱えながらコンテストに臨んだ生徒たち。それを乗り越えることができたGLSでの経験は、確実に次のステップにつながっていくはずだ。
なおグローバルリンクでは、参加生徒が自信をもってコンテストに臨めるよう、研究要旨の書き方や発表の仕方などを指導する「課題研究ブラッシュアッププログラム」(全3回)、英語でのプレゼンの仕方やQ&A対策を指導する「グローバルスキルアッププログラム」(全2回)を、事前に提供していることも付記しておきたい。
【問い合せ先】
Global Link 日本事務局
((株)JTB 企画開発プロデュースセンター内)
e︲mail:globallink@jtb.com
URL:https://www.edunet.or.jp/gl/
自分たちが研究してきたことが、海外の先生や生徒たちからどのように評価されるか。自分の話す英語で、言いたいことが伝わるのか。英語での質問が理解できるのか、英語で答えられるのか…。こうした不安を抱えながらコンテストに臨んだ生徒たち。それを乗り越えることができたGLSでの経験は、確実に次のステップにつながっていくはずだ。
なおグローバルリンクでは、参加生徒が自信をもってコンテストに臨めるよう、研究要旨の書き方や発表の仕方などを指導する「課題研究ブラッシュアッププログラム」(全3回)、英語でのプレゼンの仕方やQ&A対策を指導する「グローバルスキルアッププログラム」(全2回)を、事前に提供していることも付記しておきたい。
【問い合せ先】
Global Link 日本事務局
((株)JTB 企画開発プロデュースセンター内)
e︲mail:globallink@jtb.com
URL:https://www.edunet.or.jp/gl/